米国独自版TikTokの開発へ:アルゴリズム分離で政府の禁止措置や売却に対応しやすく

米国独自版TikTokの開発へ:アルゴリズム分離で政府の禁止措置や売却に対応しやすく

TikTokは、中国との関係を懸念するアメリカの議員たちを懐柔するため、同アプリの中核をなすアルゴリズムのクローンを開発し、分離を進めているようです。

この動きについては、ロイター通信が独占情報として報じ、Phone Arenaがその詳細を伝えています。

この秘密のプロジェクトは、昨年末に親会社のByteDanceが命じたものであり、アメリカと中国の数百人のエンジニアが参加しています。

彼らは、数百万行にも及ぶコードを分離するという巨大な作業に取り組んでいます。

このプロジェクトの目標は、TikTokのアメリカ版に中国版(抖音)とは完全に独立したコードベースを構築することです。

これにより、TikTokを禁止したいと考える米国議員にとって、受け入れやすいバージョンが実現する可能性があります。

コードの複雑さを考慮すると、この作業は非常に大規模で難易度の高いものとなりますが、成功すればアメリカでの事業継続がより容易になるでしょう。

ソースコードを分割する取り組みは、TikTokのアメリカ事業の売却を義務付ける法案が今年4月に成立する以前から始まっていました。

このプロジェクトの完了には少なくとも1年以上が必要と見込まれています。

なお、TikTokはこの報道内容を公に否定しています。

もしこのプロジェクトが順調に進めば、将来的にTikTokがアメリカ企業に売却される必要が生じた場合でも、その売却がよりスムーズに行えるでしょう。

しかし、TikTokは売却を計画しているわけではなく、このプロジェクトに関与している情報筋によれば、TikTokはアメリカで直面する政治的リスクを軽減するため、この取り組みを全力で遂行しているとのことです。

このプロジェクトは、アメリカと中国の技術的な協力の象徴でもあり、国際的なテクノロジー企業がどのようにして地政学的な課題に対応しているかを示す一例です。

TikTokがどのようにしてアメリカ市場での存在を維持し続けるのか、その動向に注目が集まっています。