2024年6月14日、株式会社ドワンゴは8日から続くニコニコ生放送などのサービス障害について公式に発表しました。
ドワンゴによれば、復旧には1ヶ月以上を要する見通しで、復旧できるサービスから順次再開する予定です。
サービス障害の詳細と原因
2024年6月8日、ニコニコのすべてのサービスが利用不能となる大規模なサイバー攻撃が発生しました。
この攻撃はランサムウェアによるものであり、ドワンゴは直ちに関連するサーバーをシャットダウンする緊急措置を実施しました。
さらに、サイバー攻撃対策本部を設置し、被害の全容解明とシステムの復旧に向けて全力で取り組んでいます。
現在の対応と今後の見通し
ニコニコのシステムは数百の連携するサーバーで構築されており、復旧にはこれらのサーバーの内容を一つ一つ確認し、安全なデータを救出する作業が必要です。
その後、これらのデータを使用してシステムを安全な環境下で再構築することになります。
現時点での調査によれば、完全な復旧には少なくとも1ヶ月以上かかる見込みであり、可能な限り早急に再開可能なサービスから順次再開していく予定です。
サイバー攻撃の影響範囲
今回の攻撃は、ドワンゴが利用しているパブリッククラウドと、グループ企業であるKADOKAWAのデータセンターに構築されたプライベートクラウドの双方に影響を及ぼしました。
特にプライベートクラウド内の相当数の仮想マシンが暗号化され、システムが停止しました。
また、攻撃者は遠隔操作でサーバーのシャットダウンや再起動を試みたため、物理的にサーバーの電源ケーブルや通信ケーブルを抜いて対応しました。
被害を受けたサービスと現在の状況
以下のサービスが影響を受け、現在利用不能となっています
・ニコニコ動画
・ニコニコ生放送
・ニコニコチャンネル
・外部サービスでのニコニコアカウントログイン
・楽曲収益化サービス
・ドワンゴチケット
・ドワンゴジェイピーストアの一部機能
・N予備校(N高等学校・S高等学校の生徒向けは復旧済み)
・各種企画におけるプレゼント発送
情報漏洩の可能性と補償について
現時点では、個人情報やクレジットカード情報の漏洩は確認されていませんが、引き続き調査が進められています。
また、サービス停止に伴う補償についても検討中であり、2024年6月および7月のプレミアム会員やニコニコチャンネル有料会員の月額料金、N予備校の月額料金などが補償の対象となる予定です。
新サービス「ニコニコ動画(Re:仮)」のリリース
サービスの完全復旧を待つ間、ドワンゴは「ニコニコ動画(Re:仮)」という新バージョンを2024年6月14日にリリースしました。
このバージョンは、ニコニコのサービス最初期のように、動画視聴とコメント機能のみを備えたシンプルな動画コミュニティサイトであり、一部の選ばれた動画のみが視聴可能です。
サービスの負荷を軽減するため、無料で視聴可能なものとして提供されます。
今後の予定とニコニコ漫画アプリの状況
ドワンゴは、7月末までニコニコ生放送やニコニコチャンネルを利用した公式の生放送番組を中止することを決定しました。
番組制作には準備期間が必要であり、また、これらのサービスが月額課金サービスであることを考慮しての決定です。
また、「ニコニコ漫画」アプリについては、多くのシステムが被害を受けていないことが確認されており、基本的な機能を利用可能な縮小バージョンでの再開が検討されています。
ドワンゴは、引き続き調査と復旧作業を進め、できるだけ早くサービスを完全に再開できるよう努めております。と公表しています。
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