中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)のリーダーであるリチャード・ユー氏は、同社の基本ソフト(OS)や人工知能(AI)技術が急速に進化していることを明らかにしました。
21日に行われた開発者会議での講演で、ユー氏はファーウェイがさまざまな分野で驚異的な成果を上げており、特に欧米の競合企業と比較して約3倍の速度で進展を遂げていると語りました。
ユー氏は、ファーウェイの独自OS「ハーモニー」が現在9億台以上のデバイスで使用されていると指摘しました。
「ハーモニーは大きな飛躍を遂げました。独立したOSの中核技術を構築するのに欧米企業が30年以上を要したのに対し、我々はこれをわずか10年で達成しました」と彼は胸を張りました。
もともとファーウェイは、スマートフォン向けにGoogleのOSである「アンドロイド」を採用していました。
しかし、米国による規制を受け、同社は独自のOS「ハーモニー」を2019年に発表し、市場に投入しました。
この戦略的な変更により、ファーウェイは外部の制約に対抗し、自社の技術基盤を強化することに成功しました。
さらに、ユー氏はファーウェイのAI向け半導体「アセンド」についても触れました。
この半導体は、米国の大手半導体メーカーであるエヌビディアの製品に次いで、世界で2番目に人気があると述べました。
これにより、ファーウェイはAI技術の分野でも競争力を強化しています。
従来、OSなどのソフトウェア技術は欧米企業が市場を独占してきましたが、ユー氏は、モノのインターネット(IoT)の時代にはファーウェイがこれらの企業を追い越すチャンスがあると語りました。
同社は、中国製の半導体を搭載した「Mate 60」を昨年発売して以来、スマートフォン事業も順調に回復しています。
ハーモニーを搭載したスマートフォンの販売は、今年の最初の5カ月間で68%も増加しました。
調査会社カウンターポイントのデータによれば、2024年第1四半期には、ハーモニーの市場シェアが中国で17%に達し、Appleの「iOS」を上回ってアンドロイドに次ぐ2位となっています。
これはファーウェイにとって大きな成果であり、同社の技術力と市場での存在感が増していることを示しています。
ファーウェイの技術的進展と市場での成功は、同社が独自のイノベーションを推進し、困難な状況下でも競争力を維持し続ける能力を証明しています。
これからも、ファーウェイの動向に注目が集まるでしょう。
画像引用: Wikipedia