日産、キャシュカイ生産の中国江蘇省常州工場を閉鎖 – 年間13万台生産で中国全体の10%占める

日産、キャシュカイ生産の中国江蘇省常州工場を閉鎖 – 年間13万台生産で中国全体の10%占める

日産自動車は2024年6月21日、中国江蘇省に位置する常州工場を閉鎖することを正式に発表しました。この工場の年間生産能力は約13万台で、これは日産の中国全体の生産能力の約10%に相当します。この決定は、長期にわたる販売台数の低迷に対応するための措置です。

常州工場の背景と重要性

常州工場は、東風汽車集団との折半出資によって設立された東風日産の一部として、2020年11月に稼働を開始しました。この工場は、日産の人気SUV「キャシュカイ」を生産しており、日産の中国市場における戦略的重要拠点の一つでした。

しかし、近年の市場の動向や需要の変化により、日産は生産能力の見直しを余儀なくされました。2024年3月期の中国における販売台数は、前期比16.1%減の79万4千台に落ち込みました。このような厳しい市場環境の中、常州工場の閉鎖は不可避の決断となりました。

日産の中国における現状と未来

常州工場の閉鎖により、日産の中国国内の生産拠点は8工場から7工場に減少します。日産の中国全体の生産能力は、常州工場を含めて年間160万台に設定されていましたが、これが変更されることになります。

それでも、日産は中国市場における新たな需要に対応するための戦略を練り直しています。2024年下期からは、新エネルギー車(NEV)の導入を強化し、需要の回復を図る計画です。しかし、今期の販売計画は80万台に設定されており、厳しい状況が続く見通しです。

工場閉鎖後の計画と対策

日産は常州工場の閉鎖後、他の戦略を模索しています。まず、輸出車両の生産を増加させることで、生産拠点の稼働率を回復させることを考えています。また、中国市場における競争力を維持するため、効率的な生産体制の構築やコスト削減策の強化も重要な課題となります。

日産は、常州工場の閉鎖を乗り越え、中国市場での新たな成長を目指しています。特に、NEV分野での新製品の投入や、既存の人気モデルの改良を通じて、市場での地位を再構築することを目指しています。

このように、日産は激動する中国市場の中で、柔軟に対応し、持続可能な成長を目指す姿勢を明確にしています。