ファーウェイ、Android依存を脱却? 新OS「HarmonyOS NEXT」を発表

ファーウェイ、Android依存を脱却? 新OS「HarmonyOS NEXT」を発表

2024年6月21日から23日にかけて、ファーウェイは「HDC2024(Huawei Developer Conference)」と題した開発者会議を開催しました。

会議初日のカンファレンスでは、同社が開発中の新しいオペレーティングシステム「HarmonyOS NEXT」についての最新情報が発表されました。

HarmonyOS NEXTとは?

「HarmonyOS NEXT」は、ファーウェイが独自に開発している「HarmonyOS」の次世代バージョンです。

昨年11月にその展開が初めて発表され、多くの注目を集めました。

その最大の特徴は、「脱・Android」、すなわちGoogleのAndroidからの完全な独立です。

従来のHarmonyOSは、オープンソースで開発される「AOSP(Android Open Source Project)」をベースにしており、一種の「Androidの派生版」として位置づけられていました。

しかし、「HarmonyOS NEXT」では、これまでのAOSPベースから完全に独自開発されたカーネルへと移行する予定です。

この移行により、従来までAPKファイルを使用して動作していたAndroidアプリケーションはサポートされなくなり、HarmonyOS NEXTは完全に独立したOSとなります。

HDC2024での発表内容

HDC2024のカンファレンスで発表された「HarmonyOS NEXT」のベータ版では、ファーウェイの技術革新が強調されました。

独自カーネルの採用により、「パフォーマンス効率が30%向上」し、「消費電力が20%削減」されるとしています。

このような最適化により、ユーザーはより高速で効率的な操作体験を得ることができるようになります。

さらに、性能面においても「没入感のあるPCレベルのレイトレーシング品質」を実現するとして、ゲームのグラフィック体験の向上にも力を入れていることが発表されました。

また、最新の技術トレンドであるAI(人工知能)についても、画像生成やアクセシビリティの向上に活用される予定です。

今後の展開と影響

ファーウェイは、「HarmonyOS NEXT」の安定ビルドを2024年第4四半期(10月~12月)に中国国内向けにリリースする計画を発表しました。

まずは「Huawei Mate 60シリーズ」などの主要製品に搭載される予定で、多くのファーウェイ製品へ順次拡大していく計画です。

一方、日本国内においては、現在ファーウェイ社製スマートフォンの展開が行われていないため、この新しいOSの直接的な影響は限定的であると見られます。

しかし、ファーウェイがこの独自OSの開発を進めることで、今後のスマートフォン市場にどのような影響を与えるかについては注目が集まっています。

HarmonyOS NEXTの登場により、ファーウェイはAndroidからの独立を果たし、独自のエコシステムを構築することを目指しています。

この動きがスマートフォン市場に与えるインパクトと、その成功の行方は、今後の技術界の大きな関心事となるでしょう。

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