Googleの新たな挑戦:「Chromebook Plus」とAI機能「Gemini」の魅力

Googleの新たな挑戦:「Chromebook Plus」とAI機能「Gemini」の魅力

2024年5月20日、Microsoftは新たなAI搭載パソコン「Copilot+ PC」を発表しました。

この動きにすぐ続いて、Googleも新しいAI機能で刷新された「Chromebook Plus」を発表しました。

この新しい「Chromebook Plus」は、AIチャットボット「Gemini」を搭載し、さらにユーザー体験を一歩先に進めることを目指しています。

Chromebook Plus:AI機能「Gemini」の統合

「Chromebook Plus」における最大の特徴は、Googleの最新生成AIである「Gemini」の統合です。

ユーザーは、右クリックで「Gemini」を呼び出し、AIチャットボットとして利用することができます。

この機能により、ビデオ通話の背景に生成AIを利用して新しい背景を追加したり、写真や画像を編集する際に、Googleの「Pixel」スマートフォンで提供されているのと同じ「編集マジック」機能を使うことができるようになりました。

非AI機能も強化

AI機能だけでなく、Chromebook Plusにはいくつかの新しい非AI機能も追加されています。

例えば、動画をGIF形式で記録できる機能や、ゲームをより楽しむための「Game Dashboard」が新たに登場しました。

これらの機能は、従来のChromebookでも利用可能ですが、新しいAI機能の大部分は「Chromebook Plus」のモデルでしか使用できません。

将来への期待と価格競争力

一方で、Googleは今年後半にリリース予定のよりエキサイティングなAI機能についても予告しています。

これにより、今後さらに進化する「Chromebook Plus」の可能性に大きな期待が寄せられています。

興味深いことに、「Chromebook Plus」は、他の高価格帯の競合製品と比較しても、新しいチップを採用していません。

しかし、349ドルという価格設定は、多くの1000ドルを超える競合デバイスに対して非常に競争力のあるものです。

これにより、2024年の低価格AIコンピューター市場において、「Chromebook Plus」は大きな注目を集めることが期待されています。

「Chromebook Plus」とは何か?

「Chromebook Plus」は、Googleが2023年10月に発表した新しい認定プログラムに基づいています。

Googleは自社でChromebookのハードウェアを製造していませんが、この認定プログラムにより、最低限のスペックが保証されたChromebookが「Chromebook Plus」として認定されます。

「Chromebook Plus」として認定されるためには、以下の仕様を満たす必要があります。

  • プロセッサー:Intel Core i3(第12世代以降)またはAMD Ryzen 3(7000シリーズ以降)
  • RAM:8GB以上
  • ストレージ:128GB以上
  • ディスプレイ:フルHD(1080p)IPS以上
  • ウェブカメラ:1080p以上でノイズ低減機能付き

これにより、一定のパフォーマンスが保証され、ユーザーは「Pixel」スマートフォンで提供されている「消しゴムマジック」などの便利な機能を利用することができます。

Chromebook Plusに統合されたGemini

Chromebook Plusの最大の注目ポイントは、「Gemini」の統合です。

ユーザーは、「シェルフ」(Googleのタスクバー)や右クリックメニューから簡単に「Gemini」にアクセスできます。

しかし、現在のところ、「Gemini」はちょっとした隠し芸のような機能にとどまっており、Chromeタブを開くだけで、インターネット接続がなければ利用できません。

編集マジックの実力

一方で、写真編集機能「編集マジック」は、Chromebook Plusに統合された現在、非常に実用的な機能です。

ユーザーは、編集したい部分を選択して、消去したり、大きさを変えたり、選択した要素を移動させたりすることができます。

この過程で生じた空白や隔たりは、生成AIが自動的に埋めてくれます。

ただし、出来栄えは「Pixel」スマートフォンの場合と同様で、生成された要素が脈絡なく混ざり合ってしまう可能性もあります。

今後リリースされるAI機能

Googleは、今後の「Chromebook Plus」に向けた大きな構想を持っています。

特に注目すべきは、「Help me read」という機能で、ウェブページやPDFの内容を要約し、さらに詳細な質問にも対応することができるようになります。

この機能により、ユーザーは右クリックで「Gemini」を利用して、必要な情報を簡単に得ることができます。

Chromebook Plusは今すぐ買うべき?

「Chromebook Plus」は、AIパソコンとしての進化の途上にある製品です。

現時点では、搭載されているAI機能は他の場所で無料で利用できるものが多く、すぐにアップグレードする必要はないかもしれません。

しかし、右クリックでAI機能を利用できるという利便性や、Googleが今後提供予定の「Help me write」と「Help me read」機能の開発に注目が集まっています。

これらの要素を考えると、「Chromebook Plus」は今後のAI技術の進化に伴って、非常に魅力的な選択肢となる可能性があります。