新紙幣発行を目前に控えた今、飲食店が抱える課題が浮き彫りになっています。
日本で20年ぶりに発行される新紙幣は、2024年7月3日から流通が始まります。
新しい一万円札には「近代日本経済の父」と称される渋沢栄一の肖像が、五千円札にはアメリカで学んだ日本初の女子留学生である津田梅子、千円札には細菌学者の北里柴三郎が描かれています。
これらの新デザインに対して多くの人々が期待を寄せる一方で、現金を取り扱う多くの飲食店にとっては対応準備が急務となっています。
特に、券売機を使用している飲食店では、その機器を新紙幣に対応させるための更新作業が課題となっています。
宮城県内に8店舗を展開する「そばの神田」もその一例です。
同店は券売機で食券を販売するシステムを採用していますが、新紙幣への対応が遅れており、少なくとも9月半ばまでには対応を完了させる予定です。
「そばの神田」の運営会社は、4月に券売機の更新について見積もりを依頼しましたが、製造元のメーカーは需要に追いつけず、現在も新紙幣に対応できる券売機の供給が間に合っていない状況です。
このため、当面の間は新紙幣しか持っていないお客様には、店舗スタッフが旧紙幣との両替を行うことで対応することを計画しています。
さらに深刻な問題は、券売機の更新にかかる費用です。
「そばの神田」では全店舗で合計14台の券売機を使用しており、これらをすべて新紙幣に対応させるための改修費用は100万円以上にのぼります。
加えて、物価や光熱費の高騰が続く中、競争の激しい業界においては、価格を引き上げることも難しいため、こうした費用の負担は大きな経済的なプレッシャーとなっています。
「そばの神田」の運営会社の担当者は、「券売機の改修費用は決して安くはありません。現在の物価や原価が高騰している状況では、これらの費用をすべて負担するのは非常に厳しいことです」と話しています。
このように、新紙幣発行に伴う対応は、現金を扱う飲食店にとって大きな負担となっています。
しかし、顧客の利便性を維持し、競争力を保つためには避けられない投資でもあります。
各店舗がどのようにこの課題に対応していくのか、その模索は今後も続いていくでしょう。
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