米クアルコムは、2024年5月にオランダのロッテルダムで開催された国際会議「3GPP Stage-1 Workshop on IMT2030 Use Cases」に参加しました。この会議で、クアルコムは6Gの未来に対するビジョンを示し、私たちのスマホとモバイル通信がどのように進化していくのかを公式ブログで発表しました。
会議の概要
「3GPP Stage-1 Workshop on IMT2030 Use Cases」は3日間にわたって開催され、世界中のさまざまな組織が6Gに関する見解やユースケースを発表しました。
1日目(5月8日)
初日は主に通信事業者とその関連事業者に焦点を当てたセッションが行われました。GSMAとNGMN(Next Generation Mobile Networks)がプレゼンテーションを行い、その後、自動車、産業用5G、マルチメディア、衛星通信、公共安全、ワイヤレスブロードバンドなど、各業界における6Gの可能性についての議論が続きました。
2日目(5月9日)
この日は、地域ごとの視点から6Gの優先事項やイノベーションについてのプレゼンテーションが行われました。日本のXGモバイル推進フォーラム(旧:Beyond 5G推進コンソーシアム)をはじめ、韓国、中国、インド、欧州、北米の計6つの組織がそれぞれの見解を共有しました。
3日目(5月10日)
最終日は、ITU-R(国際電気通信連合 無線通信部門)と3GPPがIMT-2030に向けた標準化計画についてのプレゼンテーションを行いました。会議の締めくくりには、クアルコムのWanshi Chen氏と3GPPの検討グループのリーダーたちが参加するパネルディスカッションが行われ、質疑応答の機会も設けられました。
クアルコムが描く6Gの目標
クアルコムをはじめとする参加者たちは、6Gがどのようにして5Gの上に構築され、社会を変革するのかについて語りました。6Gは、次の10年を超えて、経済成長、技術の進化、コスト効率、社会的公平性、環境持続可能性、そして高い信頼性など、さまざまな目標を達成するために期待されています。
クアルコムのビジョンでは、6Gは単なる通信の進化ではなく、経済や社会全体にわたる大きな変革をもたらすものとされています。この新しい技術が、どのようにして日常生活を豊かにし、ビジネスの可能性を広げるのか、その未来像を描いています。
6Gのユースケースと革新技術
6Gは、これまで以上に多くのユースケースをサポートすることが期待されています。例えば、没入型体験、デジタルツイン、スマート産業やロボット工学、固定無線アクセス、次世代のIoT、公共の安全を支える重要な通信などが考えられます。これらの新しいユースケースは、6Gによって可能になる新しい技術やサービスの一端に過ぎません。
ITU-Rが設定したIMT-2030フレームワークは、6Gの初期ビジョンを描き、未来の無線技術の目標を設定するための主要なシナリオと性能基準を示しています。このフレームワークに基づいて、6Gの発展が進んでいくことが期待されています。
今後の展開
3GPPは、今後、6Gの開発に向けた次のステップを計画しています。まず、サービスの要件定義が行われ、続いて、RAN(無線アクセスネットワーク)とSA(サービスアーキテクチャ)による技術的な作業が進められます。2025年には、さらに技術ワークショップや調査が予定されています。
クアルコムの公式ブログで発表された6Gに関するビジョンや会議の内容は、6Gがもたらす可能性を示唆しており、私たちがこれからどのような未来を迎えるのかについてのヒントを提供しています。スマホやモバイル通信の新たな時代が、まもなく私たちの手元にやってくるのです。
情報元・画像引用
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