Windows内蔵のCopilot機能が早くも縮小?開発者版でショートカットが消滅、その背景にあるCopilot+への誘導とは

Windows内蔵のCopilot機能が早くも縮小?開発者版でショートカットが消滅、その背景にあるCopilot+への誘導とは

2024年6月中旬、マイクロソフトはWindows 11の開発者向けプログラム「Insider Preview」において、注目すべき変更を加えました。

この変更には、近年Windowsに実装されたチャットAI機能「Copilot」の一部機能が削除される内容が含まれており、大きな話題を呼んでいます。

「Insider Preview」とは、Windows 11の新機能や最新の変更を一般公開に先駆けて試すことができるプログラムです。

今回のアップデートでは、ベータチャネルとしてKB5039319が配信されました。

注目すべき点は、これまで「Winキー+C」で呼び出すことができたWindows 11内蔵のチャットAI機能「Copilot」のショートカットが廃止されることです。

さらに、画面右端にあるCopilotアイコンも「タスクバーに固定されるアプリへと進化」するとされています。

Windowsに内蔵されたCopilotは、ユーザーがシステム設定を変更したり、様々なタスクを効率的に行えるようにする非常に便利な機能でした。

この機能により、Webサイトの検索やアプリケーションの操作が簡単になり、ユーザーからは高く評価されていました。

しかし、今後この連携機能は廃止され、Windows内のCopilotは単なるWebアプリ、すなわちプログレッシブWebアプリケーション(PWA)になる可能性があるというのです。

これらの変更は、現時点では開発者向けのプログラムに限定されており、実際の一般向けリリースにおいて同様の変更が適用されるかどうかは未定です。

しかし、ユーザーの間では、これらの変更の背景には、マイクロソフトが新たに推進している「Copilot+」への移行を促進する狙いがあるのではないかという見方が広がっています。

「Copilot+」とは、マイクロソフトが2023年5月に発表した、生成AI機能を最大限に活用するための新しいデバイスコンセプトとその認定制度です。

Copilot+の認定を受けるには、AI処理に適した専用プロセッサ「NPU」の搭載などの基準を満たす必要があります。

これにより、HP、レノボ、ASUSなどの複数のPCベンダーが、Copilot+に準拠した製品を次々に発表しています。

Copilot+認定製品には、オンデバイスで画像を生成する「コクリエーター」などのツール群が提供されるほか、専用の「Copilotキー」が搭載されており、これにより一発でCopilotを呼び出すことが可能です。

このような特別な機能を持つCopilot+対応のPCは、今後、AI機能を活用する上で重要な役割を果たすと期待されています。

今回のWindows内蔵の「Winキー+C」のショートカット廃止は、まさにこうしたCopilot+の推進と無関係ではないと考えられています。

特にCopilotを愛用していたユーザーにとっては、この変更は不便さを感じさせるものですが、マイクロソフトとしては、より高度なAI機能を搭載したCopilot+認定PCへの移行を促す意図があるのではないかと見られています。

要するに、Windows 11の開発者向けプログラムにおけるCopilot機能の変更は、マイクロソフトの戦略的な動きの一環として、今後のAI技術の発展と新しいデバイスコンセプトの普及を見据えたものであると言えるでしょう。

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