安倍晋三元首相の銃撃事件から2年:黙とうと追悼が続く

安倍晋三元首相の銃撃事件から2年:黙とうと追悼が続く

2024年7月8日、安倍晋三元総理大臣の銃撃事件からちょうど2年が経過しました。

この日、事件現場で多くの人々が追悼の意を表し、黙とうをささげました。

安倍元首相は、2022年の参議院選挙の応援演説中に奈良市で銃撃され、帰らぬ人となりました。

安倍派議員の黙とう

事件から2年を迎えるにあたり、自民党の安倍派議員や関係者約30人が現場を訪れ、追悼の意を示しました。

自民党の山本順三 元国家公安委員長や、安倍派の参議院議員に加え、派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で一時離党していた世耕弘成 元経済産業大臣らも参加しました。

彼らは、事件の発生した午前11時30分ごろに花を捧げ、黙とうをささげました。

その後、山本氏は「黙とうをささげて一安心し、新しい時に向かって頑張ろうという思いをお互いに固めることができました。大変お世話になった安倍元総理大臣に、心からの思いを込めたお参りです」と述べました。

林官房長官のコメント

同日午前の記者会見で、林芳正官房長官は、安倍元首相の功績に対する敬意と哀悼の意を改めて表明しました。

「安倍元総理大臣がさまざまな分野で多大な功績を残されたことに対し、敬意を表し、哀悼の意をささげます」と述べました。

また、林官房長官は「自由で公正な選挙は民主主義の根幹をなすものであり、卑劣な暴力行為は決して許されるものではありません。引き続き、安全の確保と選挙活動の両立に努めていくことが重要です」と強調しました。

旧統一教会をめぐる問題についても、引き続き厳正な対応と被害者救済に全力で取り組む意向を示しました。

立憲民主党 野田元首相の追悼

立憲民主党の野田佳彦 元首相も、地元の有権者に対して哀悼の意を表しました。

文書の中で、野田氏は「私も安倍氏が亡くなった67歳になり、改めて非業の死を悼みたい」と述べました。

また、安倍元首相の追悼演説について「政治人生で最も難しいものであり、悶絶しながら草稿を練った」と振り返りました。

さらに、安倍派の政治資金パーティーをめぐる問題に触れ、安倍元首相が指示したキックバックの中止が彼の死後に再開されたことについて、強い憤りを表しました。

「安倍氏は自らが育てた後輩に裏切られ、天上で心を痛めていることでしょう」と述べました。

安倍派の議員たちの墓参り

自民党安倍派の中堅・若手の衆議院議員ら20名以上が、山口県長門市にある安倍氏の墓を訪れました。

議員たちは順番に焼香し、静かに手を合わせました。その後、福田達夫元総務会長は記者団に対し、「安倍晋三という政治家がいなくなった穴は、この2年間開きっぱなしで、埋めきれていないのが今の政治状況です。我々の世代がどう穴を埋めるのかを考えなければなりません」と語りました。

救命にあたった医師の心境

事件直後、現場に駆けつけた医師が安倍元首相の救命処置にあたりました。

奈良市の内科クリニックを開業する中岡伸悟医師(66)は、診察中に「安倍さんを助けて」との叫び声を聞き、すぐに現場へ向かいました。

中岡医師は、救急車が到着するまでの間、心臓マッサージなどの救命処置を行いましたが、元首相は搬送先の病院で息を引き取りました。

中岡医師は、「命を救えず申し訳なかったという思いがあり、事件を思い出さない日は一日もありません」と心境を語りました。

また、事件の背景に旧統一教会への恨みがあったことを知り、「悩みを抱えている人に対して、どのように向き合うべきかを考えるようになりました」と話しました。

診察時には、患者の話にこれまで以上に耳を傾けるようになったと述べています。

「深い悩みやストレスを感じている人に対して、誰かが真剣に話を聞いていれば、状況は大きく変わっていたかもしれません。現場で救命処置にあたった者として、これからも患者としっかり向き合っていくことが大事だと考えています」と中岡医師は語りました。

source: NHK image: 首相官邸


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