OpenAI従業員が違法な秘密保持契約を内部告発、通報権利の放棄を強要された事が判明

OpenAI従業員が違法な秘密保持契約を内部告発、通報権利の放棄を強要された事が判明

OpenAIの従業員たちは、アメリカの証券取引委員会(SEC)に匿名で書簡を送り、同社の違法行為について調査するよう求めました。The Washington Postが報じたこの7ページにわたる内部告発文書には、OpenAIが従業員や関係者に対して「過度に制限的で違法な秘密保持契約(NDA)」を強制していることが詳述されています。この契約により、従業員や投資家は内部告発や通報に関する権利を放棄せざるを得なくなっているとのことです。

具体的な違法行為として従業員たちが挙げた点は以下の4つです。

  • 「会社の中傷禁止条項」に当局への通報の除外を盛り込んでいないこと

従業員は、内部告発や通報を行う権利が保護されていないと主張しています。

  • 当局への機密情報の開示の際に、会社から事前の同意を得るよう義務付けること

これは、法的に保護された内部告発者の権利を制限するものです。

  • それ自体に規制法違反が含まれている秘密保持契約

従業員は、これらの契約が法律に違反していると主張しています。

  • 公益通報を奨励し、内部告発者への弁済措置を受ける権利を放棄させること

この慣行は、内部告発者の権利を侵害していると指摘されています。

これらの慣行は、証券取引法違反についての通報を妨害することを禁じた法律に違反しているとされ、さらにはAI技術の不適切な使用につながる可能性もあります。これが偽情報や詐欺、偏見、国家安全保障上のリスクなど、重大な社会的損失を引き起こす危険性があると従業員たちは指摘し、SECに対して速やかな調査と是正措置を求めました。書簡の写しはアメリカ議会にも送付され、チャック・グラスリー上院議員は、「AIがもたらす脅威の監視と緩和は、国家安全保障を担う議会の憲法上の責任であり、その責務の遂行には内部告発が不可欠です。しかし、OpenAIのポリシーと慣行は内部告発者が声を上げる権利と、告発に対して正当な報酬を受け取る権利を萎縮させているおそれがあります」と述べました。

この内部告発は、「非営利団体として発足したOpenAIが、技術開発の中で安全性より利益を優先するようになっているのではないか」という懸念が提起される中で公開されました。The Washington Postは以前、「OpenAIのAIがユーザーに生物兵器の作り方を教えたり、ハッカーが新しいサイバー攻撃を編み出したりするような事故を防止する自社プロトコルが失敗したにもかかわらず、同社はGPT-4oの2024年5月のリリースを急いだ」と報じていますが、これに対しOpenAIは「安全性プロセスで妥協をしたわけではありませんが、当社のチームにとってストレスの多いリリースであったことは承知しています」と述べています。

書簡の日付は、ちょうどGPT-4oがリリースされた翌月である2024年6月1日となっていますが、SECが調査を開始したかどうかは記事作成時点では不明です。メディアからの問い合わせに対し、SECはコメントを控えました。

OpenAIはかねてから従業員に対する威圧的な慣行で非難されており、この件でサム・アルトマンCEOは謝罪しています。


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