新聞協会がAIの著作権侵害を指摘 – 検索連動型記事利用に承諾要請

新聞協会がAIの著作権侵害を指摘 – 検索連動型記事利用に承諾要請

日本新聞協会は7月17日、GoogleやMicrosoftなどの米大手IT企業が提供する「検索連動型生成AIサービス」に関する声明を発表しました。この声明では、これらのサービスが著作権侵害に該当する可能性が高いことを指摘しました。具体的には、記事を無断で利用し、それに類似した回答を表示させることが多いとされています。

検索連動型生成AIサービスとは、利用者が検索する際にAIが複数の関連サイトを参照し、その内容を要約した文章を表示する仕組みです。Googleは昨年からこのサービスの導入を開始しました。日本新聞協会は、このサービスが本質的に従来のネット検索とは異なるものであり、参照元の記事の内容をそのまま表示するため、著作権侵害に当たる事例が多いと強調しました。

さらに、利用者が参照元のサイトを閲覧しない「ゼロクリックサーチ」の増加により、報道機関が不利益を被る可能性があると指摘しました。報道機関の取材活動が縮小することで、民主主義や文化に損失をもたらす可能性があると懸念を示し、政府に対して著作権法など知的財産に関する法律の見直しや整備を早急に進めるよう要請しました。

また、検索連動型AIが事実と異なる情報を生成するリスクについても警鐘を鳴らしました。AIが誤った情報を提供した場合、その誤りが参照元の記事の間違いであると誤解される恐れがあり、報道機関の信頼性を損なう可能性があると述べています。

日本新聞協会は、公正取引委員会が昨年秋に発表した報告書にも言及しました。この報告書では、ニュースサイトの入口となるネット検索の運営会社が独占禁止法上の優越的地位にある可能性があると指摘されており、記事の利用許諾を得ないまま検索連動型AIを提供することが独占禁止法に抵触する可能性があると述べられています。

これに対して、Googleの広報担当者は取材に対し、「生成AIによる検索サービスは日本の著作権法を含む法令を順守している」とコメントし、Googleのサービスが質の高いニュースへのアクセスを提供しており、日本の報道機関と長期的な協力関係を築いていると主張しました。

以上のように、日本新聞協会は検索連動型生成AIサービスに対して強い懸念を示し、政府に対策を求めています。この問題は、著作権の保護や報道機関の利益を守るために、今後の議論と対応が求められる重要な課題です。

source: 47NEWS image: Search Engine Roundtable


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