Apple IntelligenceでiPhoneの売上減速を救えるか? アップルの生成AIの可能性

Apple IntelligenceでiPhoneの売上減速を救えるか? アップルの生成AIの可能性

調査会社のCIRPは米国時間7月17日に発表したレポートで、iPhoneの最新機種の売上が減少し続けていることを明らかにしました。2024年第2四半期(4月〜6月)におけるアメリカでのiPhone販売台数全体のうち、iPhone15シリーズおよびiPhone15 Proシリーズの占める割合は67%で、前四半期から1ポイント減少しました。昨年同時期にはiPhone14シリーズおよびiPhone14 Proシリーズが全体の79%を占めていたことを考えると、この減少傾向は顕著です。

iPhoneの需要が減少している中、アップルのCEOであるティム・クック氏とそのチームは、生成AIを活用して消費者をアップルのエコシステムに引き寄せる試みを行っています。しかし、この戦略は、スマートフォン市場における消費者の気まぐれな動向を考えると、リスクの高い賭けとも言えます。

アップルは6月に開催された開発者会議(WWDC)で生成AI関連の計画を発表しました。これを受けて、同社の株価は7%上昇しました。市場では、iPhoneの売上が再び上昇するのではないかという期待が高まっています。現在、Apple Intelligenceと呼ばれる同社の生成AIを利用できるのは、最も高価な現行モデルであるiPhone 15 Pro Maxに限られています。この制限の理由は、生成AIが高度な処理能力を必要とすることや、アップルがユーザーデータをデバイス上で処理する方針を採っているためです。したがって、iPhone 15 Pro Maxを持たない消費者がアップルの生成AI機能を利用するには、今年発売予定の最新のiPhoneを購入する必要があります。

しかし、Apple Intelligenceが本格的に利用可能になるのは、2025年の第1四半期以降とされています。このため、ティム・クック氏と彼のチームは、将来的に生成AIが利用できるようになるという期待をもとに、アップルのファンに最新モデルの購入を促すことになります。

一方で、アップルが提供しようとしている生成AIによる機能やメリットは、既に多くのアンドロイド端末でも提供されています。グーグルは、2023年10月に発売したPixel 8で「AIファーストのスマートフォン」を強調しており、この分野でアップルをリードしています。さらに、グーグルは8月にPixel 9シリーズを発売する予定であり、これによりアップルのAIはグーグルに2世代遅れをとることになります。

消費者は、アップルがこの分野での競争に追いつくのを待ってくれるのでしょうか?それとも、もう待てないと判断するのでしょうか?もし前者であれば、アップルが長期的な戦略を覚悟したことにより、iPhoneの売上は回復に向かうでしょう。しかし、もし後者であれば、アンドロイドのエコシステムはアップルの急所を突いたと判断されるかもしれません。

このように、アップルは生成AIという新たな武器を手にしているものの、その成功には時間と忍耐が求められます。今後、ティム・クック氏とアップルのチームがどのように市場の動向に対応し、消費者の心を掴むのかが注目されます。

source: Forbes image: 外資就活ドットコム


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