米グーグル、サードパーティCookie廃止のための方針を変更:ユーザーに新たな選択肢を提供

米グーグル、サードパーティCookie廃止のための方針を変更:ユーザーに新たな選択肢を提供

2024年7月22日、米国のGoogleは、これまで計画していたサードパーティCookieの廃止を見送り、新たなアプローチを発表しました。この新しい方針は、ユーザーが自分自身のプライバシー設定をより柔軟に管理できるようにすることを目的としています。

Googleは2020年に、オンラインプライバシーの向上と広告収益モデルの維持を目指して「プライバシーサンドボックス」を開発する計画を発表しました。この計画の一環として、サードパーティCookieのサポートを2年以内に終了する予定でした。しかし、規制当局やパブリッシャー、プライバシー保護団体などからの懸念があり、廃止予定を何度か延期してきました。2024年の段階でも、サードパーティCookieの廃止は実施されないことが確認されていました。

今回の発表によれば、サードパーティCookieを完全に廃止するのではなく、ユーザーが自らの選択でプライバシー設定を管理できる新たなエクスペリエンスをChromeに導入することに焦点を当てています。この新しいアプローチは、ユーザーがWeb閲覧全体に適用される情報に基づいて選択を行い、その選択をいつでも調整できるようにするものです。

Googleはこの変更について規制当局と議論を進めており、業界とも連携して展開していく予定です。移行の複雑さと参加者全員への影響を考慮し、この新しい方針に転換したということです。これにより、パブリッシャーや広告主にとっても、競争力のある市場が維持されることが期待されています。

Googleは、2024年第1四半期に実施したプライバシーサンドボックスとサードパーティCookieとのパフォーマンス比較実験の結果も公表しました。この実験では、サードパーティCookieを削除すると広告収益が減少する一方で、プライバシーサンドボックスを有効にするとその減少が緩和されることが示されました。

プライバシーサンドボックスAPIの提供と改良も引き続き行われ、ユーザーが閲覧データをより細かく制御できるようにすることに注力しています。さらに、ChromeのシークレットモードにIP保護を導入する計画も進めています。

Googleは「サードパーティCookie廃止の代わりに、Chromeに新しいエクスペリエンスを導入する」と表現しており、サードパーティCookieの廃止を完全にやめるかどうかはまだ明確ではありません。

英政府の競争規制当局である競争・市場庁(CMA)はこの発表を受け、英国の個人情報保護監督機関である情報コミッショナーオフィス(ICO)と緊密に連携して、プライバシーサンドボックスに関するGoogleの新しいアプローチを慎重に検討すると発表しました。

このように、Googleはユーザーのプライバシー保護を強化しながら、広告収益モデルを維持するための新たな方向性を模索しています。

source: ITmedia image: 日本経済新聞


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