米国の有力紙ウォール・ストリート・ジャーナル（WSJ）は22日、グーグルの親会社であるアルファベットが米国のサイバーセキュリティ新興企業Wiz（ウィズ）を買収しようとしていたが、その計画が破談になったと報じました。もしこの買収が実現していれば、買収金額は約230億ドル（約3兆6000億円）に達し、アルファベットにとって過去最大の買収案件となる予定でした。
複数の米国および欧州のメディアが22日に、アルファベットによるWizの買収協議が破談になったと報じました。WSJによれば、Wizの最高経営責任者（CEO）は従業員に対し、アルファベットからの買収提案を受け入れない方針を伝えたとのことです。代わりに、Wizは新規株式公開（IPO）を目指す意向を示しています。
Wizは2020年に創業され、米国とイスラエルに拠点を構えています。クラウドサービスの大手企業と連携し、サイバーセキュリティ関連のソフトウェアを提供してきました。2024年5月には、米国の大手ベンチャーキャピタル（VC）などから120億ドルの評価額で10億ドルを調達したことを明らかにしました。
一方で、グーグルは米国司法省などとの間で反トラスト法違反をめぐる訴訟を抱えています。米国や欧州では巨大IT企業による市場独占への懸念が高まっており、もしアルファベットとWizの買収が合意に至っていた場合、規制当局の動向が注目されることとなっていました。
グーグルはクラウド事業を成長分野と位置付けていますが、競合他社である米国のマイクロソフトやアマゾン・ドット・コムに対して遅れを取っている現状があります。そのため、Wizの買収が実現していれば、グーグルのクラウド事業の競争力が一層高まると期待されていました。
記事を共有
NNU - ネオネットワーク連合をもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。
