アメリカの人工知能開発企業オープンAIは、7月25日に生成AIを活用した新しい検索サービス「サーチGPT」の試用版を発表しました。このサービスは、インターネット上の最新情報を基にAIが利用者の質問に答えるもので、これにより、検索エンジン業界の競争が一層激化することが予想されます。
「サーチGPT」は、ユーザーが知りたい内容を質問すると、AIがインターネット上から関連情報を収集し、それを要約して回答します。さらに、回答の出典をリンクとして示すため、ユーザーは情報の元となるサイトに直接アクセスすることもできます。これにより、ユーザーは人と対話するように追加の情報を質問することが可能になります。
このサービスは当面の間、試用版として限定された人数に提供され、利用者やメディアからのフィードバックを収集して開発に役立てる計画です。将来的には、この機能を既存のチャットGPTに統合する予定です。
従来のチャットGPTにも、外部サイトの出典を示しながら質問に答える機能が備わっていますが、オープンAIが25日に公開したデモ動画によれば、「サーチGPT」は質問に対する回答だけでなく、要約と共にサイトのリンクを一覧表示するなど、従来の検索エンジンに近い機能を提供することが特徴です。
この分野では、既にグーグルが今年5月にAIを使った検索サービス「AIオーバービュー」をアメリカで開始しています。このサービスは、利用者が質問すると、画像などとともに情報の要約や、訪問先のサイト候補を上部に表示するもので、従来の検索のように何度もキーワードを入力する手間を省くことを狙っています。
グーグルの親会社であるアルファベットの株価は、25日のアメリカ株式市場で前日の終値に比べて約3%下落しました。AIによってインターネット検索の方法が変われば、世界最大手の同社のビジネスモデルにも大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、アメリカの新興企業パープレキシティも既に対話型のAI検索サービスを提供しており、文章形式で質問を入力すると、生成AIがネット上の情報を基に回答します。さらに、マイクロソフトも7月24日に検索サービス「Bing」において生成AIを活用した新機能を発表しました。
オープンAIは、対話型AIによる回答の精度を高めるために大手メディアと提携してきました。今後の検索サービスの開発においても、メディアからの反応を踏まえた改良が行われる予定です。「サーチGPT」は開発段階で学習していないサイトの情報も含めて回答することができるため、より幅広い情報を提供することが可能です。
これにより、検索エンジン業界は新たな局面を迎え、多様なサービスが提供されることで、利用者の利便性が大幅に向上することが期待されます。
source: 日本経済新聞 image: 9to5Google
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